体にいいものにこだわって! 悠々粋亭

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20151207今日の健康より、骨を強くしよう!

Last update 20151219
2015年12月 7日~10日 ≪今日の健康≫より
骨を強くしよう!
    

骨を強くしよう『骨粗しょう症とは?』

お話しいただいたのは、鳥取大学 荻野 浩 教授

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。
背骨を構成する椎骨を、正常な骨と比較してみると、スカスカの状態になっている。

骨粗しょう症の患者数は、推定1280万人
その内、女性 ⇒ 980万人、男性 ⇒ 300万人 と、男性に比べて女性が3倍ほど多
く、高齢者に多い病気ですが、「太ももの骨」の、骨密度を調べた統計によると
骨粗しょう症
【女性】 50代  20人に1人
     60代   5人に1人
     70代   5人に2人
【男性】 70代   5人に1人
と、女性では50代でも、20人に一人が骨粗しょう症だそうです。

■骨を強くするポイントは
1.骨の成り立ち

骨はカルシウム、ミネラルなどで出来ていて、この密度を示すのが「骨密度」です。
骨密度があっても骨折する場合があり、それは「コラーゲン」で、骨のしなやかさを保つ「骨
質」が、骨の強度を保つ要因だそうです。
骨の強さは、骨密度で70%が決まり、骨質で30%が決まるそうです。

骨にも「コラーゲン」があり、それを作っているのはタンパク質で、ビタミン類もコラーゲン
を作るのに必要だそうです。
現時点では、この「骨質」を調べられる検査はまだ無いそうで、コラーゲンはタンパク質で出
来ていますので、タンパク質を摂ることが大事だそうです。

髪の毛が抜け変わっているように、骨も作り変えられていて、骨は常に破骨細胞(骨を壊す細
胞)が、骨を壊して穴を作っていき、その穴を作ったところに骨芽細胞(骨の空いた穴を埋め
て骨を作っていく細胞)が骨を作っていて、この破骨細胞と骨芽細胞のバランスがきちんとと
れていれば、骨粗しょう症にならない丈夫な骨になるそうです。

2.骨粗しょう症はなぜ起こる?
骨粗しょう症の主な原因は「加齢」
年を取るとカルシウムの吸収が悪くなり、カルシウム不足になりやすいのだそうです。
そして、原因のもう一つは、「閉経」
閉経すると女性ホルモンの分泌が急激に低下するため、50歳を過ぎると骨粗しょう症になる
人が増えてくるのだそうで、骨粗しょう症が女性に多いポイントになります。

20歳ころまでの骨の成長期に、最大骨量(20歳~40歳位の間の骨密度と骨質を合わせたも
の)が低いと、閉経を迎えた後、早く骨粗しょう症になってしまうそうです。

骨粗しょう症は、他にも様々な危険因子があり、
・運動不足 ・痩せすぎ ・喫煙、過度の飲酒 ・糖尿病、慢性腎臓病など、これらに当ては
まる人は注意が必要だそうです。

3.骨折しやすい場所
多いのは、高齢者では転倒した時に、太ももの付け根付近の骨折で、ここを骨折すると骨をつ
なぎ合わせる手術や、人口の骨を入れる手術が必要になり、筋力が低下し歩行困難となり、寝
たきりになってしまうことがあります。

他に、地面に手をついて起こす骨折で、手首や腕の付け根も骨折しやすいそうです。
転倒しなくても骨折しやすい場所が、背骨の骨折で、前屈みになった時に起き、背骨(椎骨)
の圧迫骨折や、くしゃみをしても骨折することがあり、骨粗しょう症では圧迫骨折は、何時、
どのタイミングで起こるか分からず、背骨の骨折の場合、いくつも骨が繋がって負荷が分散さ
れているため、骨折に気付かず、骨粗しょう症の発見が遅くなることもあるそうです。

※閉経後は骨量の減少を、検査で早く発見することが、とても大事!
※高齢の方は、骨の量を維持するとともに、転倒を予防することが大事!



骨を強くしよう『検査と薬』

女性で危険因子のある方は、骨折してから対処するのを防ぐため、50歳くらいから、遅くと
も65歳から骨密度検査を受けた方がよいそうです。

骨粗しょう症によって一度骨折すると、再度、骨折する確率が、初めて骨折する確率の4倍に
なるそうで、薬による治療をした場合、骨折を50%以上減らすことができるそうです!

■骨を強くするポイントは
1.骨粗しょう症危険度チェック

(体重-年齢)×0.2=危険度の結果
上記の危険度の結果
ー1以上     ⇒  危険度 低
―4~―1未満  ⇒  危険度 中
―4未満     ⇒  危険度 高

低、中でも、この検査で安心というわけではないので、骨粗しょう症の危険因子のある人な
ど、早目に骨密度検査を受けた方がいいそうです。

もう一つのチェック方法が
50歳を過ぎた女性と、70歳を過ぎた男性は、最近、こんなことがないかチェックしてみてく
ださい。
◎背骨(腰椎)の圧迫骨折が疑われる場合
・背が縮んだ
・背中や腰が曲がった
・背中や腰が痛み、動作がぎこちない
上記のような症状があれば、背骨の圧迫骨折をしている可能性がありますので、早目に整形外
科を受診してください。

2.骨粗しょう症は、どう検査する?
骨密度を測るのに、いくつかの方法があります。
◎DXA法(全身) ⇒ デキサ法と言ってx線を使って骨密度を測る方法。
全身用のデキサ法だと、殆んどの体の骨を測定することができ、主に、規模の大きい基幹病院
で用いられています。
◎DXA法(前腕部) ⇒ 整形外科をはじめとした骨粗しょう症の治療をしている病院や診
療所で受けることができます。
◎MD法(手の骨の写真を撮って測定する)
◎超音波法  ⇒ かかとの骨に超音波を当て、超音波の伝わる速度から骨密度を測定する方
法で、骨粗しょう症の診断には使われていませんが、健診で用いられていて、骨折のルスク、
危険性を評価するには良い方法だそうです。
超音波で、骨粗しょう症と疑われる場合は、早目に詳しい検査をした方がよいそうです。

【骨粗しょう症の診断基準】
若年成人の平均骨密度の
80~100%   ⇒ 骨折ナシなら正常
70~80%未満 ⇒ 骨折アリなら骨粗しょう症
70%以下   ⇒ 骨粗しょう症
骨密度が正常でも、背骨や太ももの付け根の骨折歴があれば「骨粗しょう症」と診断されるそ
うです。

【骨密度検査の受け方『女性の場合』】
40歳以上だと特定健診等で受けられる自治体が多いので、是非その機会に受けてください。
40歳~を過ぎたら    ⇒ 自治体の特定健診等
危険因子アリの50歳以上 ⇒ 自治体の特定健診等
危険因子ナシの65歳以上 ⇒ 早目に整形外科
特定健診でなくても、費用は自己負担で2,000円程で、整形外科などの医療施設で受けること
ができます。

【骨密度検査の受け方『男性の場合』】
危険因子アリの50歳以上
危険因子ナシの70歳以上
どちらも、早めに整形外科で受診されることをお勧めします。

50歳以上で骨折した場合は、男女を問わず、受診した整形外科などでの骨密度検査をお勧め
されるそうです。

3.薬による治療
骨粗しょう症は骨折しやすい状態ですから、骨折を予防するために対応が必要となり、その一
つの柱が「薬」です。
骨粗しょう症の診断基準で、骨粗しょう症と診断された方は、骨折の危険因子アリと診断され
た方で、薬による治療が必要となります。

【骨折の危険因子】
・親の太ももの付け根の骨折歴
・糖尿病の状態が良くない
・喫煙
・過度の飲酒   など
こういった危険因子があると、骨折しやすいため、薬による治療を行います。

【骨粗しょう症の薬の作用】
・骨を壊す働きを抑える
ビスホスホネート(第一選択薬) ⇒ 毎日、週に一回、月に一回と、いうような飲み薬
デノスマブ(第一選択薬)    ⇒ 半年に一回、医療機関で受ける注射薬
閉経後の女性50~60歳代
SERM(サーム) ⇒ 女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似たような作用を持って
いて、骨折するリスクがあまり高くない方が飲む薬
第一選択薬は、作用、費用ともにそれほど差が無いため、医師の判断に任されている。
・骨を作る働きを助ける
副甲状腺ホルモン薬 ⇒ 重症、すでに骨折した人に使う注射剤
週に一回、医療機関で注射する薬と、毎日、自己注射をする薬があります。
・骨の作り替えのバランスを整える
活性型ビタミンD3薬 ⇒ ビタミンD不足の人に使う薬
骨粗しょう症の治療薬は、こういった3つの種類に分けられます。

【これらの薬の副作用】
吐き気や胃の痛み、更年期症状の悪化などがありますが、重大な副作用が少ないのもこれらの
薬の特徴。ただ、ビスホスホネートを使われている場合の副作用で、ごくまれに歯の治療期間
中、顎の骨の壊死が起こることがありますので、事前に歯科医に「ビスホスホネート」を使用
していることを伝えた方がよいそうです。

※骨粗しょう症は、検査で早期発見することがとても大事で、薬や注射で骨折を50%ぐらいは
抑えられるので、早期の治療で骨折を防いでいただきたいそうです。



骨を強くしよう『骨太運動と転倒予防』

転倒した時、どのあたりを一番骨折しやすいかというと、高齢者や骨が脆くなった人が骨折す
るのが、手首や腕の付け根の部分。しかし、最も恐いのは、太ももの付け根部分の骨折で、こ
の場所を骨折すると、なかなか元の状態に戻りにくいので、筋力が低下し、歩行困難から寝た
きりになってしまうことも多く、命にかかわる病気を起こしやすくなります。
そのため高齢者は、日頃から転倒予防の対策をすることが大事だそうです。

■骨を強くするポイントは
1.若いうちから始めて頂きたいのが、骨の強さを維持する運動

骨を強化するには、「地面を強く踏み締める」運動が効果的で、陸上競技やバレーボールのよ
うに太ももの骨や背骨に垂直方向の衝撃が加わる運動には高い効果があるそうです。
また、ウォーキングや階段の上り下り、スクワットにも骨を強くする効果があります。

2.転倒予防の運動
骨折につながる転倒を予防するには「脚の筋肉を鍛える運動」や「バランス感覚を鍛える運
動」を行うことが重要で、立って行うものでは片足立ちやスクワットがお勧めで、片足立ちを
継続して行った場合は、行わなかった場合より転倒する人が減るという研究結果も出ているそ
うです。座って行う場合はすねの前の筋トレやタオルたぐり寄せ運動がお勧めで、自分ででき
る運動の種類や量、ペースなどについては主治医とよく相談してから始めてください。

【片足立ち】
◎両目を開けて、片足立ちを1分間
 ⇒ バランス感覚が鍛えられる
※1日の目安が、左右の足で1分間ずつを3セット
関節を痛めず、足全体の筋肉が鍛えられるので、膝の痛みのある人でもやりやすい。
高齢の方や、足腰に不安のある方は、バランスを崩した際の支えとして、しっかりしたテーブ
ルのそばで行うと安全。
途中で両足をついても、再開して1分間続ける。つらくなったらその場で終了する。

・片足立ちを日常的に続ければ、転倒を防ぎやすくなる
・縦方向に適当な負荷がかかるため、骨太効果もある

【スクワット】
◎ゆっくりと行うのが効果的
 ⇒ 足腰の筋肉が鍛えられ、骨太効果もある
※1日の目安が、5~6回を3セット
テーブルに手をつきながらでもOK!

【脛の前の筋トレ】
◎椅子に座り、つま先を上げて5秒間保つ
 ⇒ 歩くとき、つま先が上がりやすくなり、
躓くのを防ぐことができる
※一日の目安が、10~20回を3セット

【タオルたぐり寄せ運動】
◎足の指でタオルをたぐり寄せる
 ⇒ バランスを崩したとき、足先で踏ん張る力がつく
※1日の目安が、3回を3セット
椅子に座り、両足の前に縦にタオルを置き、両足の指を使ってたぐり寄せる
足の指で掴みやすいように、薄めのタオルでやるのがコツ!

≪運動を行う時の注意点≫
・骨粗しょう症の人は、運動の内容について、必ず事前に主治医に確認する
・痛みや違和感が出ない範囲で行う
・家族がいれば、誰かが一緒にいると安心


3.転倒予防の工夫
転倒事故は、自宅で最も多く発生していて、高齢になると家の中にある小さな段差でもつまず
いて転びやすくなります。転倒を予防するには身の回りの工夫が大切で、ホームセンターには
高さの異なる様々な種類の簡易のスロープが売られていますので、段差にあったものを選ん
で、段差を解消しましょう。また、歩行中にスリッパが脱げるのもつまずきの原因になります
ので、スリッパよりも、かかとがついていて脱げにくい室内履きがお勧めです。
風呂場は滑りやすいうえに、温度変化で血圧が変動するため、立ちくらみが起こりやすい場所
です。滑り止めのマットを敷いて、転倒を防ぎましょう。

※スリッパが脱げる人は、スリッパよりかかとのある「室内履き」を使用する
※自宅での転倒が最も多いので、段差をなくすこと!



骨を強くしよう『骨太食事術』

1.骨に必要な栄養素
骨に必要な栄養素としてはカルシウムがよく知られていますが、ほかにもビタミンDやビタミ
ンK、たんぱく質も欠かせません。骨を強くするためには、これらの栄養素を多く含む食材と
必要量を知って、しっかりとることが大切だそうです。

カルシウムを多く含む食品には、「乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、海藻、魚、ごま」などが
あり、骨粗しょう症の人の推奨摂取量は、1日700~800mg(牛乳600~700mL相当)。骨粗
しょう症ではない人の推奨量は662mgです。ビタミンDは「魚、きのこ、卵」などに多く含ま
れていて、カルシウムが腸で吸収されるのを助ける働きがありますので、カルシウムの多い食
品と一緒にとると効果的だそうです。ビタミンDは日光に当たると皮膚でもつくられます。1
日に15分程度、手足や顔などに日光が当たるようにしましょう。
ビタミンDをすべて食事からとる場合の骨粗しょう症の人の推奨量は1日15~20μg(さけ60g
相当)です。ビタミンKは骨をつくる働きを促し、「納豆、油揚げ、緑黄色野菜」などに多く
含まれます。骨粗しょう症の人の推奨量は1日250~300μg(納豆1パック相当)です。たんぱ
く質はコラーゲンの材料になるもので、「肉、魚、乳製品、大豆製品」などに多く含まれま
す。18歳以上の女性の場合は1日50g(鶏肉250g相当)必要。

2.食事の改善
カルシウムやビタミンD、ビタミンKを効率よくとるには、「魚の水煮缶、しらす干し、乳製
品、ごま、きのこ、大豆製品、緑黄色野菜」といった、一手間かけるだけで使える食材を積極
的に料理に取り入れましょう。「めざし、ししゃも、しらす干し、桜えび」などのように骨や
殻ごと食べられる魚介類は、カルシウムとビタミンDをたっぷりとることができます。「生の
きのこ」は、20~30分程度日光に当てておくと、ビタミンDの含有量が増え、うまみもアッ
プするそうです。

カルシウムやビタミンDが多く含まれるさば缶は、長期間の保存も可能で使いやすい食材で、
まいたけ、ブロッコリー、トマトの水煮缶と煮込んで、チーズをのせて焼く「トマトグラタ
ン」や、おから、みじん切りにしたしそ、しいたけ、にんじんを混ぜて丸めて焼く「つみれ焼
き」などが簡単でお勧めだそうです。

【1日3食ひと手間で改善】の具体例
◎朝食

・トースト ⇒ チーズトースト
・スクランブルエッグとソーセージ ⇒ 桜エビ入りスクランブルエッグ
 しらす干しを使う時は、湯通しして塩分を抜く
・レタス ⇒ サニーレタス(緑色の濃い野菜)
・ツナを加える
・コーヒー ⇒ 低脂肪牛乳

◎昼食
・とろろそば ⇒ なめこと納豆のそば
  青ネギ ⇒ ほうれん草
  とろろ ⇒ 納豆
  なめこ ⇒ ビタミンDが摂れる
・かぼちゃの煮付け ⇒ ひじきの煮物

◎間食
・コーヒー ⇒ ヨーグルト

◎夕食
・豚の生姜焼き ⇒ 鮭の生姜焼き(生鮭を使用する)
・根菜の煮物 ⇒ ゴボウを舞茸に(ビタミンDが多い)
・味噌汁 ⇒ すりごま入り味噌汁
 胡麻を味噌汁に入れることで、コクが出るので、味噌を減らすことができ、減塩効果に繋が


【“ひと手間”に使いやすい食材】例
≪カルシウム=骨の主成分≫

桜エビ、ツナ缶、しらす干し、チーズ、牛乳、ヨーグルト、豆腐、ごま、ヒジキ、
サニーレタス、小松菜

≪ビタミンD=カルシウムの吸収を助ける≫
鮭、鯖、舞茸、干しシイタケ、なめこなど茸類、卵

≪ビタミンK=骨を作る働きを促す≫
納豆、油揚げ、ほうれん草、小松菜

≪日光を浴びる≫
≪タンパク質=骨のコラーゲンの材料≫

肉、魚、卵、乳製品、大豆製品

※キノコ類は日光の当たるところで、2~3時間干して使うと保存も旨味もアップ!!



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